光より、まず生き残ることを考えた一灯。
米軍車両用のウインカー、コードCH-0390。配線は切断済みでジャンク扱いの実物パーツだ。オレンジのレンズ、丸みを帯びたハウジング——ハンビーやM35系トラックの車幅灯・方向指示器として使われていた形状である。
ブラックアウト前提の設計
軍用車両の灯火類は、民生品とは発想が根本から違う。夜間、敵からの視認距離を最小限に抑える「ブラックアウトライト」機構が組み込まれることが多く、レンズ形状やハウジングの厚みにもその名残が見える。HMMWV(通称ハンビー)は1985年に制式採用され、M151ジープの後継として米軍の足回りを長年支えてきた車両だ。灯火パーツひとつにも、任務優先の設計思想がにじむ。
ジャンク品としての価値
配線が切られている以上、そのままでは点灯しない。だが車両モデラーやレストア愛好家にとっては、実物のハウジング形状そのものが資料になる。複製やレプリカでは再現しきれない、金型の癖や樹脂の焼け色——それが実物の強みだ。
小物こそ記録の断片
主力装備の陰に隠れがちな車両パーツだが、こういう小さな部品ほど流通量が少なく、後から探すのは難しい。オレンジの樹脂片ひとつが、ハンビーという車両の存在を静かに物語っている。




