耳を守る、たった二枚の垂れ布。
M-1951フィールドキャップ、サイズ7 1/4、中古良品。朝鮮戦争期に米陸軍が採用したこのキャップは、折り畳んだ耳当てを下ろすだけで即席の防寒具になる作りが特徴だ。単純明快。
帽子ひとつで完結する防寒
厚手のヘルメットライナーやパーカーほどではないが、耳と首筋だけを覆うこの垂れ布のおかげで、簡易な作業や移動中の防寒には十分だった。畳めば普通の作業帽と変わらない見た目に戻る——二役こなす、地味な工夫だ。
サイズ表記というディテール
7 1/4というサイズ表記は、頭囲を測る帽子業界共通の単位。米陸軍支給品としてOD色で統一され、この民生の帽子サイズ規格がそのまま採用されていた点は、意外と知られていない。帽子ひとつにも、軍と民間の規格がすれ違わずに繋がっていた証拠が残っている。
脇に佇む名脇役
パーカーやヘルメットほど写真に写らない一品だが、実際の運用ではもっとも頻繁に被られていたのは、案外こういう軽装のキャップだったのかもしれない——目立たない仕事ほど、誰かがちゃんとしていた証だ。







