顔の輪郭を消すための油絵具
顔面と首筋を周囲に溶け込ませるためのカモフラージュフェイスペイント、日本では「ドーラン」と呼ばれる油性の塗料だ。4色セットの中古品で、迷彩塗装の基本を担ってきた道具である。
ドーランという呼び名
本来「ドーラン」は舞台化粧用のクリームファンデーションを指す日本語で、歌舞伎や映画の現場で使われてきた言葉——米軍の迷彩用フェイスペイントも見た目が似ているためこの名で呼ばれ、日本の放出品市場ではすっかり定着している。
塗り分けという教義
野外での顔面偽装には、米陸軍・海兵隊をはじめ各国軍で教えられてきた基本の型がある。額・頬骨・鼻筋・耳といった光を反射しやすい出っ張りは暗色で、目の下や顎の下といった影になるくぼみは明色で塗る。1960〜70年代のベトナム戦期には既にこの2トーン方式が広く教えられていたとされる。凹凸を塗料で打ち消す、逆説的な化粧法だ。理にかなっている!
使われた4色
緑・黒・茶・砂色といった配色が一つの缶や1セットに収められているのが基本形で、任地の植生に応じて塗り分ける。油性スティックは鏡がなくても指先の感覚で塗れる携行性が持ち味だ。中古品としての減り方が、実際に野外で使われてきた証にもなっている。







