ブランドを持たない服、という発明。
サイズ表記は失われたジャンク品Tシャツ。肩幅約42cm、袖丈約16cm、身幅約44cm、着丈約64cm——シミやシワによる汚れが見られる一枚だ。タグはなくとも、実測値が当時の規格をそのまま語る。
契約番号だけが語る出自
この種の官給インナーにブランドロゴは存在しない。QM(需品科)を通じた政府契約のもと、複数の民間メーカーが同一規格で製造・納入する仕組みだったからだ。DSA(国防補給局)発注の契約番号がタグに刷られるのが常で、誰が作ったかより、どの契約でいくつ納品されたかが記録される——それが官給品の流儀だった。
作りと質感
シミやシワによる汚れが見られるが、袖丈約16cmを含めた各部の寸法バランスは保たれている。縫製そのものはしっかりしており、当時の裁断の形をそのまま伝えている。
名もなき一枚の説得力
ブランドを名乗らない服だからこそ、逆に量産と支給という仕組みそのものの証拠になる。地味だが、雄弁な一枚だ。









