沖縄の基地から、街の古着屋へ。
サイズ表記のないジャンク品Tシャツ。肩幅約45cm、身幅約46cm、着丈約61cm——シミやシワによる汚れが見られる、標準的な体格向けの一枚だ。こういう無名の一枚が沖縄で流通してきた背景には、はっきりした理由がある。
基地の街という流通経路
嘉手納や普天間をはじめ、戦後の沖縄には本土とは比較にならない密度で米軍基地が置かれてきた。基地周辺のPX(酒保)や個人の私物処分を通じて、こうした官給・私物のインナーが直接、地元の古着市場に流れ込む——本土のルートとは違う、沖縄ならではの流通経路である。
作りと質感
シミやシワによる汚れがあるが、各部の寸法バランスは保たれており、当時の縫製の姿をそのまま留めている。
土地の記憶を宿す一枚
派手な戦争の記録ではなく、基地の街の日常が生んだ一枚。それこそがこの土地らしい実物の残り方だろう。







