ベルトが欠けていても、コートの骨格は健在だ。
DSCP VALOR COLLECTION トレンチコートODは、米陸軍のドレスユニフォームの上に羽織るオールウェザーコートだ。サイズ42L、肩幅48cm・身幅59cm・袖丈61cm・身丈120cmという寸法で、ウエストベルトのみ欠品した中古品として残っている。
トレンチコートの起源
トレンチコートは第一次世界大戦中、塹壕(トレンチ)戦を戦う英仏軍将校向けに開発された防水コートに端を発する。オリーブドラブ(OD)というくすんだ緑褐色は、その後も長く軍用コートの標準色であり続けた。地味だが、揺るがない色だ。
礼装コートとしての役割
本品は撥水加工こそ若干残るものの、実戦の野戦コートというよりドレスユニフォーム着用時の防寒・防雨用に位置づけられる一着だ。身丈120cmという長さは、下に着た礼装をすっぽり覆う設計を物語る。
欠品もまた記録の一部
ベルトが失われた状態も、それはそれでこのコートが辿った時間の証拠だ——完全な状態でなくとも、骨格そのものは当時のまま今に伝わっている。











