オレンジの裏地に隠された理由
フライヤーズ・インターミディエート MA-1、サイズSの中古良品。肩幅46cm・身幅56cm・袖丈61cm・身丈61cm——ナイロン地のフライトジャケットとしては最も名の知れた型だろう。裏返しても着られるリバーシブル仕様だ。袖には使用による穴が数か所。年季の証である。
オレンジは飾りではない
MA-1のリバーシブル裏地は、当初のセージグリーンから1960年代にブレイズオレンジへ切り替えられた。理由は単純明快——不時着や撃墜で搭乗員が野に降り立った際、ジャケットを裏返せば捜索隊から視認されやすくなる、という遭難信号としての機能である。飾りではない。ファッションではなく、生存のための色だった。
1950年代生まれの定番
MA-1は米空軍で1950年代に採用され、先代のL-2Bやさらに前のB-15の系譜を継ぐ現行型フライトジャケットの完成形だ。1980年代には英国のパンクやスキンヘッド文化に取り入れられ、軍を離れて街の定番にもなった。実用品が、そのままストリートの記号として生き続けている珍しい例である。
穴が語るもの
袖の数か所の穴は、着用中に何かへ引っかけた跡だろう。傷を隠さず正直に見せるのが放出品らしいところで、生地越しに覗くオレンジの裏地がかえって当時の色の鮮やかさを伝えてくる。繕わず、そのままで棚に並べたい一着だ!










