見えない場所にこそ、収納は効く
ユーティリティジャケットの中には、腰の裏側——つまり胴裏の内側に、追加のポケットを縫い付けた仕様がある。この個体もその一枚。表からは分からない収納が、内側にもう一つ隠れている。
1960年代、増えていった内ポケット
初期の米陸軍OG-107ジャケットは外側の胸ポケット2つのみだったが、1960年代の後期型になると、防寒を兼ねたハンドウォーマー用の内ポケットが腰裏に追加される仕様が見られるようになった。地図や証明書など、雨風に晒したくない小物をしまう場所としても重宝された。
サイズ不明という正直さ
タグが失われ、正確なサイズは分からない。それでも生地の風合いや縫製の精度から、実物であることは疑いようがない。分からないことを分からないまま伝える——それも記録としての誠実さだ。
表に出ない工夫を残す
派手さのない一着だが、内側の縫い目一本にも、当時の被服担当者が積み重ねた工夫が詰まっている。








