色を一つに絞られた、名もなき実用着だ。
オリーブドラブ(OD)の長袖シャツ。放出品ゆえサイズ表記はすり切れて読めない。だが不思議と困らない——この一色こそ米陸軍が長年頼ってきた実用着の色だからだ。1952年に定められたOG-107という染色規格は、階級も兵科も問わず同じ緑を全軍に着せ続け、実に1989年まで生産と支給が続いた。37年選手だ!
107番の緑という発想
派手な迷彩も部隊章もない。倉庫番も前線帰りの兵も同じ緑の生地一枚で用が足りた時代があった。ベトナム戦争期まで長く現役だったのは、色を一つに絞ることで生産と識別の手間を同時に削れたからだろう。
厚手コットンの汗抜け
生地はしっかりと厚みのある綿サテン地。汗をよく吸い、乾けば軽くなる〜高温多湿の沖縄でこそ、この生地の良さは実感できる。夏場に着倒す普段着として今も需要が絶えないのは、機能一辺倒で作られたゆえの強さだ。
サイズが消えた一着
タグは読めず、正確な号数は分からない。だが払い下げられ、洗われ、着られ続けた末に個体差だけが残る——それも実物ならではの味わいだろう。








