裂け目も記録の一部
デジタル柄、という響きに驚いた海兵隊員は少なくなかったはずだ。マーパット(MARPAT)は、1997年にカナダ軍が世界に先駆けて実戦投入したデジタル迷彩CADPATに触発され、米海兵隊が2002年に制式採用した柄である。小さな正方形のピクセルを積み重ねて輪郭線そのものを分断する発想は、当時としてはかなり攻めた設計だった。
デザートカラーは乾燥地帯の任務向けの配色で、砂と岩の色調に馴染むよう組まれている。
静音というこだわり
前立てはボタン留め——ファスナーでもマジックテープでもない。金属の反射や擦れる音を嫌ったためだと言われている。地味な部品一つにも、探知を意識した設計思想がにじむ。膝には当て布用のポケットが仕込まれ、伏せる・這うといった姿勢を前提にした裁断だ。
この一本の実寸
サイズはM-R、ウエスト82cm・股下丈82cm・総丈108cmという記録が残る。日本のスーツで言えばM〜Lに近い体格向けの数字だ。
裂け目が語ること
傷も、味になる。生地の裂けが残るジャンク品。だが破れた場所を見ると、腿の可動域が最も酷使されていたことがわかる。飾るにも部品取りにするにも、実戦帰りらしい表情を持つ一本だ。













