点呼の前に、まずこの一枚に着替える。
US ARMY トレーニング ショートパンツ XX-L——朝一番の相棒だ。訓練やPT(体力訓練)の際に陸軍から支給される一枚で、集合前にまず身につける衣類だった。飾りは、ない。機能だけを追求した軍支給品らしい潔さが、このシルエットにはある。
縫製に見る量産の思想
脇の縫い目、ウエストのゴム通し。どこを見ても補強と簡略化の両立が徹底されている。一兵士の趣味でなく、数十万着単位で調達される前提で設計された縫製だ。ゴムひとつ、縫い目ひとつに、大量調達という現実が透けて見える。
OGでもウッドランドでもなく
迷彩服やジャケットほど語られないが、PTショーツにも世代がある。綿混の重い生地から化繊の速乾素材へ——この一枚は、まだ綿が主役だった1980年代の型だ。
残るのは地味な方
派手な迷彩は真っ先に売れていくが、こうした地味な支給品は市場に残りやすい。実用、それだけ。だからこそ、当時の兵士の日常に一番近い一枚とも言える。






