後ろ姿にだけ光る、小さな目印。
米陸軍のM2ヘルメットライナー、チンストラップ付き中古良品。後頭部には小さな反射素材のボタン——通称“キャッツアイ”が付いている。目立たないが、効く。
夜間行軍のための工夫
前照灯を消して進む夜間の隊列で、前を行く戦友のヘルメットに付いたこの小さな反射材だけを頼りに距離を保つ。灯りを一切使わずに縦列を維持するための、単純だが効果的な仕掛けだった。
M2という改良版
M1ライナーに米陸軍空挺部隊向けの改良を加えたM2は、チンストラップの固定力を高めた派生型として知られる。1944年のノルマンディー降下でも使われた系統のライナーだ。キャッツアイのような細部の工夫は、この系統のライナー全般に共通して見られる。
小さなボタンが持つ大きな役目
戦果を語る装備ではない。だが夜の隊列を最後尾まで途切れさせなかったのは、この米粒ほどの反射材だったのかもしれない——小さな仕事ほど、忘れられがちだ。











