使われた跡
POLARTEC フリースオーバーオールは、防寒着の下に着込む一体型のつなぎで、サイドファスナーによって着脱がしやすく設計されている。厚手のフリース地は空気を含んで軽く、それでいて高い保温力を発揮する。
本品は中古品でヨゴレが見られるが、生地のへたりや破損は使用感の範囲にとどまっている。
重ね着の中で果たす役割
野外での任務は気温や湿度の変化が大きく、体温調整のためのレイヤリングが欠かせない。フリースのつなぎは、アウターの内側に一枚仕込むだけで保温性が大きく変わる、地味だが頼りになる中間着として使われてきた。
作りと質感
起毛したフリース生地は柔らかく、サイドファスナーの金具にも当時のままの質感が残る。ヨゴレはあるものの、縫い目や裾のつくりは実用品としての丈夫さを保っており、実際に着用されてきた道具であることを物語っている。
いま、遺産として
きれいなままではなく、汚れを帯びて残っているという事実そのものが、この一着が誰かの体温を支えていた証でもある。使われた痕跡ごと、当時の防寒装備の実像として残しておきたい一点である。





















