サイズ12、大柄な誰かの足跡がそのまま残る一足
オールレザーのコンバットブーツ。サイズ12、実測で約30cm、履き口までの高さは25cmある。中古良品とはいえ、ソールの減り方に歩いた距離の長さが透けて見える一足だ。黒。磨き込まれた艶が、今も甲革に残っている。
黒に統一されたのは1950年代半ば
米陸軍のブーツは第二次大戦から朝鮮戦争まで長らく茶色(ラセット)の革だった。だが1956年前後、本国駐屯部隊の営内点検を重視する流れの中で黒革への切り替えが進む。以来、磨き上げた黒のコンバットブーツは基地内の規律の象徴になった。
キャップトゥと直接加硫ソール
甲革からライニングまでほぼ革のみで構成するのがオールレザーの名の由来。爪先の重ね革(キャップトゥ)は補強であると同時に、磨きやすくするための工夫でもある。ソールは直接加硫のラバーで、ジャングルブーツのような通気孔は無い。湿地よりも営内・寒冷地向けの設計である。
磨いてこそ映える一足
『フルメタル・ジャケット』(1987)の新兵訓練シーンで延々と靴磨きをさせられる描写があるが、あの手間の対象こそこの手のオールレザーブーツだ。1962年にベトナムでジャングルブーツが登場するまで、米陸軍の標準はずっとこの型だった。サイズ12はアメリカ人でも大柄な部類——実際に履いていた本人の体格を、つい想像してしまう。








