水筒より先に、カバーの方が語る。
US M1956/M56 コットン キャンティーンカバー——語るのは、傷の方だ。中古品で小傷有り。1956年に導入された個人装備システム「M1956 ILCE」の一部で、水筒と携帯用カップを収めるためのキャンバス製カバーである。
戦後初の刷新
第二次大戦から引き継がれてきた旧式の装備を全面的に見直し、より軽量で機能的にまとめ直したのがM1956システムだった。ピストルベルトを軸に、キャンティーンカバーもここで新しい規格へと生まれ変わった。
1973年、ALICEへ
このキャンバス地の装備体系は、ベトナム戦争を通じて長く使われたのち、1973年により軽量なナイロン製のALICEシステムへと置き換えられていく。つまりこの一枚は、キャンバス装備最後の世代に属する。
小傷が示す現役感
小さな傷や擦れは、倉庫保管では付かない痕跡だ。実際にベルトへ吊るされ、水筒とともに現場を歩いた記録がそこにある——傷こそ、勲章のようなものだ。









