地名がそのまま名前になった袋。
ダッフルバッグ、OD色。サイズは約90cm×33cm×30cm、米軍実物の中古品だ。付属の鍵は経年で固着し、今は開閉できない——実用品というより、アクセサリーとして扱うしかない一点になっている。
デュッフルという街の名
ダッフルバッグの語源は、かつて厚手の毛織物の産地として知られたベルギーの町デュッフル(Duffel)にある。米陸軍では第一次大戦の頃から、私物一式を詰め込んで持ち運ぶ大型バッグとして採用され、以後ずっと基本形は変わっていない。呼び名だけが、遠い織物の町の記憶を今も運んでいる。
巾着式という単純さ
口をひもで絞るだけの単純な開閉構造は、壊れにくさを最優先にした結果だ。装飾も仕切りもなく、とにかく大量の荷物を放り込んで運ぶための箱に近い。
鍵が閉じたままの理由
固着した鍵は不便だが、逆にいえば誰にも開けられず中身の記憶を封じたままの状態ともいえる——使えない部分ごと、放出品としての面白みだ。













