甲板の男を、夜の海で見つけるための一着。
USN 米海軍 ライフプリザーバー ベストの中古品。サイズL、身幅約58cm・着丈約60cm(約22.8×23.6インチ)——空母や補給艦の甲板作業員が着る、実用一辺倒のフローテーションベストだ。派手さはないが、命に直結する装備だった。
胸に付いた光る帯の意味
前面のリフレクターはSOLAS規格に準じる再帰反射材で、夜間に人が海へ落ちた際、探照灯の光を発光源へそのまま跳ね返す。蛍光塗料とは違い電源を持たないのに闇の中で強く光る仕組みだ!フライトデッキ・クルーが色分けされたジャージの上にこの手のベストを重ねる海軍も多い。
「メイウエスト」の系譜
米海軍の膨張式ライフベストは第二次大戦中(1940年代)、着用すると胸元が大きく膨らむ形から女優にちなみ“メイウエスト”と俗称された。この個体はその後継にあたる浮力材充填タイプで、CO2ボンベに頼らず常時浮力を持つ実用設計。合理性だけは受け継いでいる。
甲板の記憶を纏った一着
生地の擦れやベルトの色褪せに、実際に着用された年月がにじむ。装飾で作られた品ではないぶん、傷みそのものが最大の情報になる。















