胸元の錨ひとつで、海の男だと分かった。
グローバルアンカー ネクタイピン、中古良品。米海軍のサービスドレス(礼装)に合わせるタイピンで、モチーフは言うまでもなく錨——海軍という組織そのものを表す意匠だ。
錨は下士官の紋章でもある
米海軍で下士官(CPO=Chief Petty Officer)の階級が制定されたのは1893年。以来、錨は水兵の襟章から階級章まであらゆる場所に刻まれてきた。ネクタイピンにこの意匠が選ばれているのも、偶然ではない。ただの装飾ではなく、所属を語る記号なのだ。
数センチの金属に宿る鋳造の手間
中古良品とはいえ、錨の形は崩れておらず、裏のピンもしっかりバネが利いている。安物のブローチとは重みが違う——小さな金属片ひとつに、ちゃんとした鋳造と磨きの工程がかかっている証だ。
礼装小物にこそ、よそ行きの顔がある
迷彩やブーツばかりに目がいくが、こういう礼装アクセサリーにこそ組織の素顔が出る。ネクタイピン一本で、当時のドレスコードがふっと透けて見えてくる。地味だが、面白い一品だ。





