箱から出た日のまま、半世紀近く眠っていた革
オールレザーのコンバットブーツ、サイズ7 1/2(約25.5cm)、高さ23cm。黒。新品・未使用、しかも一度も足を通されていない。ソールの山(ラグ)は角が立ったままで、甲革には折れ皺ひとつ無い。傷、無し。
履かれなかった理由は分からない
米陸軍の放出品には、こうした未使用のデッドストックが少なくない。サイズが合わなかったのか、配属先で別の靴が支給されたのか——理由は記録に残らない。ただ、倉庫に眠り続けた時間だけが、革の張りとして今も残っている。
オールレザーという選択
甲革から内張りまで革で通す構造は、丈夫さと修理のしやすさを優先した設計だ。ソールは直接加硫のラバー、縫い目が少ないぶん水の侵入経路も少ない。1962年にベトナムでジャングルブーツが標準化されるまで、米海兵隊でもこの型が長く使われた。
デッドストックの価値
実戦で酷使されたブーツには使用の物語があるが、この一足には別の価値がある。誰にも履かれないまま生地の弾力とラバーの柔軟性を保ってきたこと自体が、放出品としては珍しい。新品同様のまま、時間だけが経過した記録だ。









