脇の下のポケットが、パイロットの生死を分けた。
Vest, Radio Carrier Type E-1——1950年代に米空軍へ支給されたベストで、制式規格はMIL-V-5876B。サイズM、規定対応胸囲94〜104cmの実物中古良品である。
URC-4という命綱
左右の脇下に設けられた専用ポケットは、遭難時に使うサバイバル無線機URC-4を収納するためのものだ。撃墜や不時着の際、この無線機一つが救助を呼ぶ唯一の手段になり得た。
MIL規格という言語
MIL-V-5876Bという型番は、米軍調達仕様書(MILスペック)の識別番号——素材から縫製の許容誤差まで細かく規定された、軍需品ならではの厳格な生産基準を意味する。
ベストという最小装備
パラシュートハーネスやライフジャケットと重ね着することを前提に、生地は薄く軽量に仕上げられている。装備を増やすほど身動きが取れなくなる操縦席で、これ以上は削れないという最小構成の一つだ。








