封を切らずに残った、応急処置一式。
ファーストエイドキット(包帯など)、実物。応急処置に必要なものが入っている。米軍放出品、未開封だ。
一式で残る価値
単品のバンテージと違い、こちらはキットとして複数の応急品がひとまとめになった状態で残っている。個々の消耗品がバラバラに失われず、支給された時の構成そのままというのは意外と貴重だ。米陸軍の衛生管理では、こうしたセット品も個別に品目番号が振られ、在庫として管理されていた。
未開封が示す来歴
一度も開けられていないということは、実際の任務や訓練で出番が来なかった、あるいは予備として温存され続けた個体だということになる。中身を確かめたい誘惑はある。だがその封こそが証拠でもある。1970年代から80年代にかけての払い下げ品にも、こうした未開封セットは一定数含まれていた。
使われなかった装備の記録
医療品にとって「使われなかった」ことは幸運の証だ。この一式が誰かの負傷を防いだわけではない。誰も負傷しなかったから、今も未開封のまま残っている——そう考えると、静かな重みを感じる。ベトナムでも中東でも、衛生兵の鞄には常にこの手のキットが入っていた。



