剥がされるはずのネームタグが、まだ残っていた——。
NWU、Navy Working Uniformは2008年に登場した米海軍の作業服体系で、本品はその上衣にあたる。青系のドット状迷彩は着任した水兵たちから通称アクアフレージュ、あるいは自嘲気味にブルーベリーと呼ばれた柄だ。放出品は個人特定を避けるため大抵ネームタグが外される。だがこの一着には、米海軍のネームタグがそのまま縫い付けられている。珍しい。
海に落ちたら見えない、という皮肉な話
この迷彩、乗員が海に転落した際にかえって発見を遅らせると艦内で問題視された。派手に見えて、水面では逆に紛れてしまう色だったのだ。2016年には艦上での常時着用が制限され、以降は陸上勤務向けの緑系Type IIIへと更新が進んでいく。現役の海で使われた世代の、生き残りの一枚と言っていい。
生地とサイズ
生地はナイロン50%・コットン50%のNYCOリップストップ。軽いのに裂けにくく、洗濯にも強い。サイズはS-L、肩幅42cm・身幅56cm・袖丈58cm・身丈75cm。中古良品だが着用によるシミが数か所——実際に誰かの体に合わせて、何度も洗われながら着られていた証拠だ。
名前が消えなかった一枚
タグを消さずに市場へ出てくる放出品は、正直そう多くない。誰か一人の海軍生活の断片が、そのままここに残っている。









