戦場ではなく、空港のターミナルで真価を発揮した一つ。
キャスター付きトラベルバッグ 極上品。縦約40cm、横約64cm、高さ約43cm、奥行き約29cm——大型のダッフルバッグにキャスターを組み合わせた、移動のための道具だ。無骨な佇まい。それでいて実用一辺倒。迷彩柄や部隊章こそないが、海兵隊員から陸軍兵士まで基地間を転々とする軍人の暮らしを支えてきた実用品である。
PCSという移動の宿命
米軍には数年おきに勤務地が変わるPCS(Permanent Change of Station=転属)という制度がある。家族ぐるみで大陸を、時には海を越えて引っ越す彼らにとって、頑丈で大容量、それでいて自分で運べる鞄は生活必需品だった。この手のキャスター付きバッグが基地の売店や放出品店に並ぶのは、そうした需要の裏返しでもある。
軍用品店らしい丈夫さ
縫い目の補強、キャスターの軸の太さ、持ち手の耐荷重——民生品の旅行鞄と並べると、細部の作り込みの違いに気づく。中身を守るというより、乱暴に扱われても壊れないことを前提にした設計だ。妥協がない。
沖縄の基地の街ならではの一品
本島に基地を抱える沖縄では、こうした移動用の鞄も放出品として市場に流れてきた。使われた距離は分からないが、キャスターの擦れ方に旅の記憶がにじむ。













