泥を吐き出すために作られた靴
ジャングルブーツは、1960年代半ばのベトナム戦争で開発された装備だ。それまでの革製コンバットブーツは高温多湿のジャングルで腐り、水を含んで重くなる——その弱点を解決するための一足である。この個体はサイズ8(約24cm)、高さ24cm、新品のOD(オリーブドラブ)カラーだ。
側面の穴が意味するもの
甲の両脇にある通気孔は、単なる装飾ではない。水を含んだブーツを軽くするための排水機構だ。川を渡ったあとでも、歩けば自然に水が抜ける。ソール(靴底)は「パナマソール」と呼ばれる凹凸模様で、泥をかき出しながら滑りにくいグリップを両立させた。
キャンバスとレザーの組み合わせ
アッパーは通気性の良いナイロンキャンバス地と革のコンビネーション。革製一辺倒だった従来のブーツより、乾きが早い。1966年以降の型には、ベトコンが仕掛ける竹槍の罠を踏み抜かないよう中敷きに鋼板を仕込んだモデルもあり——ジャングル戦の脅威が装備の細部に直接反映されている。
スクリーンの中の一足
『プラトーン』や『地獄の黙示録』といったベトナム戦争を描いた映画で、兵士たちが履いているのがこのシルエットのブーツだ。OD色の生地とパナマソール。ベトナム戦を映像で語るときの、定番の記号になっている。









