同じ型でも、辿った時間はそれぞれ違う
OD(オリーブドラブ)に染め上げられたコットンTシャツ。米陸軍の作業服体系OG-107の下に着る肌着として、あるいは体力訓練(PT)の際にそのまま表着として支給された一枚だ。サイズはM。米軍放出品の中でも定番中の定番で、程度は中古としては良好な部類に入る。傷みが少ない〜これも一つの個性だと思っている。
OG-107というだけの数字
OGは連邦の色見本表における「オリーブグリーン」の通し番号で、107番目の緑という意味しか持たない。実に無機質な名付けだが、この番号一つが1950年代から70年代にかけての米軍の色そのものを表していた。1981年にウッドランド迷彩のBDUへ切り替わるまで、この緑が兵士の日常だった。ただの緑ではない。
厚手の綿と、時代の空気
生地は今どきの市販Tシャツより明らかに厚みのあるコットンニット。頑丈だ。ベトナム戦争の時期、高温多湿な戦場でTシャツ一枚になって任務にあたる兵士の姿が数多く記録に残る。映画『フルメタル・ジャケット』の新兵訓練シーンに映る緑のTシャツ姿も、この系統の一枚である。あの緑だ!
古着として、資料として
特別な傷みがないぶん、地味に見えるかもしれない。だが派手な使用感がないことも、この一枚が歩んできた時間の記録である。飾らない一枚ほど、実は雄弁だったりする。それでいい。






