袖口に残るすり切れ
モスグリーンに染められたこの一枚は、訓練の場で兵士の体温調整を支えたTシャツである。袖のふちに若干のすり切れが見られ、繰り返しの使用がうかがえる。
サイズ表示は失われているが、すり切れという痕跡が確かな来歴を伝えている。
訓練着としての一枚
袖口は腕の曲げ伸ばしのたびに擦れやすく、この種の消耗が最初に現れる部分だ。すり切れは傷みというより、実際に着続けられていたことの証と見るべきだろう。
作りと質感
すり切れがあっても生地全体の強度は損なわれておらず、綿素材ならではの丈夫さが残っている。使い込まれた分だけ、風合いにも深みが出ている。
いま、遺産として
袖口の小さなすり切れの中に、繰り返し袖を通した日々の記憶が刻まれている。










