誰が結んでも同じ形になる布。
米陸軍の礼装用ネクタイである。前出の一本と同じく実物、1950年代からの制度に連なる規定色・規定幅で作られた官給品だ。
クリップ式という発想
軍用ネクタイには、結ぶ手間を省くクリップ式が採用された時期がある。忙しい朝の点呼前、誰もが同じ美しい結び目を素早く作れるようにする——効率と均一性を両立させる、いかにも軍らしい合理化の跡だ。手縫いのネクタイ職人が見れば眉をひそめる発想かもしれない。
小物にまで及ぶ規格化
戦闘服や装備だけでなく、こうした小さな一本にも「US」の表記が確認できる。目立たない品ほど、組織の徹底ぶりが正直に表れるものだ。逃げ場はない。生地の織り方、光沢の抑え方まで、規格書という設計図の外に出ることは許されていない。
残りにくい部類の放出品
礼装品は日常の戦闘装備に比べて数が少なく、市場に出回る機会も限られる。ポーチやマガジンケースのような大量放出は望めない。地味な一本だからこそ、探して見つけたときの満足感は案外大きい(掘り出し物)!




