「敵の方向へ」と刻まれた地雷の道連れ。
M18A1クレイモア地雷用キャリアバッグ、実物。1960年に採用されたM18A1対人地雷、通称クレイモアは、起爆装置(クラッカー)や電線とセットでこのバッグに収められて携行された。単純にして、恐ろしい道具だ。
「FRONT TOWARD ENEMY」の意味
地雷本体の表面には、設置方向を誤らないよう“FRONT TOWARD ENEMY(前面を敵へ)”という文字が浮き彫りにされている。このバッグはその本体と付属品一式をまとめて運ぶための収納具だった。
指向性という発明
クレイモアは全方位に飛び散る従来の地雷と違い、鋼球を扇形に飛ばす指向性地雷として開発された。設置する側が破片の飛ぶ方向を選べるという発想は、当時としては画期的だった——味方を巻き込まない、という発想の転換でもある。
中身より先に語られる袋
地雷本体は消耗品として使われ切ってしまうことが多く、現存するのはむしろこの手のバッグや周辺装備の方だ。中身のない袋が、かえって当時の運用の全体像を伝えてくれる——空っぽの器ほど、雄弁なものはない。





