「US」の一文字が語るもの。
ベトナム戦争期のUSマガジンポーチである。寸法は約16cm×12cm×6cm。生地に押された「US」の刻印は、これが私物ではなく官給品であることを示す、ごく簡素な証明だ。
官給品という規格
米軍の個人装備は、部隊や個人の好みで形を変えることを許されない。コットンダックの厚み、フラップの角度、スナップの位置まで規格書で決められ、複数の契約工場が同じ図面から量産した。「US」の刻印は、その均一性を支えた検査の跡でもある。
ベトナムの湿度と共に
1965年からの米地上部隊介入以降、ジャングルの湿気と雨は装備の大敵だった。コットン生地は乾きにくく重くなる欠点を抱えながらも、丈夫さで前線に使われ続けた。のちにナイロン製装備へ置き換わっていく、その手前の世代である。
小さな刻印を読む
サイズや形が似た放出品は数多いが、刻印の書体や位置には微妙な個体差がある。字が滲んだもの、深く刻まれたもの——同じ規格でも、どの工場でいつ縫われたかを推理する手がかりになる。地味な一文字だ。それがコレクターにとっての面白さだ!












