南国の陽射しに負けたウールが、この一色に置き換わった。
USMCカーキードレスシャツ(長袖)、海兵隊の礼装(サービス)ユニフォームの構成品だ。サイズ14-32。肩幅41cm・身幅51cm・袖丈58cm・身丈78cm——中古良品としては生地の張りがまだ残る。数字が語る一着だ。
なぜカーキーだったのか
海兵隊が礼装にカーキーを選んだ理由は、20世紀初頭の中米・カリブ海方面での派遣任務にさかのぼる。本国仕様の紺サージのウールでは熱帯の湿気に耐えられず、より軽いカーキー地の綿シャツへと切り替わっていった。以来この色は、温暖な駐屯地の定番として根づいた。理屈のある一色だ。
礼装というポジション
迷彩の作業服とは違い、こちらは人前に出るための一着だ。ネクタイを締めて長袖を伸ばせば「サービス・ブラボー」、上に緑の上着を重ねれば「サービス・アルファ」——同じシャツが装いの土台になる!衿の内側には規格ラベルが縫い付けられているのが常だが、洗濯を重ねた個体では読めなくなっていることも多い。
残った理由
襟周り14インチという表記は民間紳士服そのものの体系で、量産の作業着とは違う仕立ての発想がにじむ。半世紀近く前の一着が、洗濯によるヨレもなく届いた。それだけで十分な記録だ。









