息を吸うたびに、時代の緊張が伝わってくる。
US ガスマスク M17は1959年に米陸軍で制式採用された防護マスクで、以後20年以上、ベトナム戦争を含む長い期間にわたって現用装備であり続けた。今回はマスク本体・デコンキット・レンズ等が揃った未使用の新品セット、サイズは約27cm×約30cm×約12cmの箱に収まっている。中身は全て揃う。
頬に仕込まれたフィルター
それ以前のM9A1マスクはホースで繋いだ円筒形フィルターを横に突き出す形だったが、M17は左右の頬部分にフィルター素子を内蔵し、輪郭をすっきりまとめた。無駄のない形だ。この一体成形の発想が、後継のM40系マスクにも受け継がれていく——実戦で磨かれた設計だ。
水を飲むための工夫
M17最大の特徴は、マスクを外さずに水筒から水分補給できる給水チューブを内蔵していること。地味だが命綱。装着したまま何時間も行動する兵士にとって、脱いで被り直す手間と危険を省けるこの機構は極めて実用的だ。
デコンキットという備え
化学剤の付着を拭き取るデコンタミネーションキット(除染用)が付属するのも軍用ならでは。使われなかったこの新品セットは、備えとしての緊張感を保ったまま今日まで棚に眠っていた一つと言える。






















