同じ型でも、辿ってきた道は一本ずつ違う。
US キャンティーンポーチ、中古良品。サイズは約19cm×約20cm×約9cmと先の個体と同じ規格だが、使用の痕跡は少しずつ異なる。量産品でも、一本ごとに歩んできた歴史は別物だ。
M-1956からALICEへ
米陸軍の個人装備は1956年のM-1956パターンから始まり、1967年のジャングル対応型を経て、1973年頃にはナイロン製のALICE(All-purpose Lightweight Individual Carrying Equipment)システムへと引き継がれていく。このポーチはその過渡期、コットン素材の系譜に属する一本だ。
ベトナム戦争が装備を鍛えた
高温多湿のジャングルでの実戦は、装備の弱点を容赦なく洗い出す。カビやすい素材、錆びやすい金具——現場からの評価が次の世代の設計に反映されていった過程を、この一本の摩耗からも感じ取れる。
残り続ける理由
次々と新しい規格に更新されても、旧型がすべて消えるわけではない。倉庫の奥、誰かの装備ケースの底——そういう場所からひょっこり出てくるのが放出品の面白さだ。






