傷は多いほど物語は濃くなる——はずが、これはほとんど無傷だ。
US NAM戦 M-56 OD コットン スコップカバー——珍しく無傷に近い。中古良品で約25cm×18.5cm×5cm、微細な小傷あり。同型のカバーの中でも状態の良さが際立つ一枚である。
良品というランク
放出品の世界で「良品」とは、無傷ではなく「実用に耐える程度の使用感」を意味する。裏地の擦り切れや金具の腐食といった致命的な劣化がなく、当時のシルエットをそのまま保っている個体を指す。程度の良さも、立派な個性だ。
縫製の密度で分かる年代
M1956系のキャンバス製品は、縫い目のピッチや生地の織り密度が製造時期によって微妙に変わる。細かく詰まった縫製は、比較的早い時期のロットである可能性を示す手がかりの一つだ。
微細な傷こそ本物の証
全くの無傷であれば逆に不自然だ。目を凝らして初めて分かる程度の小傷こそ——実際に現場で使われながらも大切に扱われてきたことの証明である。だからこそ、良品は面白い。