ビーズを一つ動かすたび、100mが積み上がる。
MILITARY RANGER PACECOUNTER(軍事用レンジャーペースカウンター)、新品。上段に4個、下段に9個のビーズが通された、歩測用の携行具だ。
自分の足だけを頼りにする測距法
地図とコンパスだけを頼りに移動するランドナビゲーションでは、自分が何メートル歩いたかを正確に把握することが位置特定の鍵になる。兵士は自分の歩幅から100mあたり何歩かを事前に割り出し、歩くたびにその歩数をカウントする——このビーズは、その歩数を指先の感覚だけで記録するための道具である。
上段と下段、桁が違う二段構え
下段の9個は100m単位、上段の4個は1000m単位を数える仕組みだと考えれば、この配置の意味が見えてくる。GPSに頼れない状況——電波妨害下や機材故障時——でも、自分の足だけで距離を測れるという原始的な確実さが、この道具の価値だ。ズレは、命取りになる。
まだ誰の歩数も刻んでいない
新品未使用のまま届いたこの一品には、まだ誰の歩数も刻まれていない。




