刻印の年号が、無口な証言者になる。
同じくキャンティーン&ポーチの新品セットだが、こちらはサイズの記載がない個体。その代わり、水筒底面に製造年やメーカーコードが刻印されていることが多く、コレクターはそこから生産時期を読み解く。
底面刻印という手がかり
米陸軍の水筒には、製造会社と年式(たとえば1968年など)を示す刻印が底に打たれる慣習があった。ベトナム戦争期のものか、それ以降の調達分か——刻印一つで話せる情報量は意外と多い。刻印にはメーカー名の略号と製造年の下二桁が並ぶ形式が多く、判読できれば調達時期がかなり絞り込める。
新品という状態の意味
支給されたものの、配属先の変更や除隊のタイミングで一度も腰に下げられなかった——そんな経緯を想像させる未使用品だ。使われなかった装備には、使われた装備とは違う静けさがある。
ペアで残る希少性
水筒とポーチが分かれて流通しがちな中、セットのまま、しかも新品で残った個体は年々見つけにくくなっている——実用品でありながら、今となっては記録としての価値が増している一本だ。











