袖と裾に空いた穴は、着られた年月の分だけ増えていく。
ユーティリティーシャツ、サイズ35R・OD一色・中古良品。袖と裾の数箇所に穴があり、生地の薄さから使用歴の長さがうかがえる一点だ。
ユーティリティーシャツという名の作業服
米陸軍で1950年代から支給されたユーティリティーシャツは、OG-107というオリーブグリーン規格の生地で仕立てられ、コットンサテン地の柔らかな風合いが特徴だった。動きやすさを重視した単純な裁断は、作業服としても私服としても使い勝手が良く、除隊後も普段着に転用する退役軍人が多かったと言われている——支給品が私服として第二の人生を歩んだわけだ。
穴が語る消耗品としての宿命
軍の作業服は消耗品として大量に支給・廃棄される前提で作られていた。袖口や裾はことに擦れやすく、繰り返しの労働で生地が薄くなり、やがて穴が開く——このシャツもその典型的な末路をたどった一枚だ。
穴だらけでも捨てられずに残ったのは〜生地そのものの味わいが惜しまれたからかもしれない。







