クレートの中から出てきた、まだ名も無い一つ。
名も無い一品。コード名はCH-0825。小物・雑貨/その他 放出品という、いわば「その他」の棚に置かれたままの品である。放出品というのは、店に来る時点で必ずしも一点ずつ丁寧に説明が付いているわけではない。むしろ大半は、木箱や麻袋にまとめて詰まった状態でやってくる。
大量入荷という現実
数百点単位のクレートを開けると、中には名の知れた定番品もあれば、一見して用途の見当がつかない金具や布片も混ざっている。全部を即座に識別できるほど、放出品の世界は甘くない——これは長年やっていても変わらない実感だ。
それでも並べる意味
用途が分からないまま棚に出すのは——正直、ためらいもある。それでも記録として残しておく方が、後から誰かの記憶や資料に触れて正体が判明する可能性が残る。捨ててしまえば、その芽すら摘むことになる。
番号だけの存在感
CH-0825という記号だけが、今のところこの品の全てだ。それもまた、放出品の一つの姿である。




