命綱を、確実に開かせるための小さな傘。
大きなパラシュートは、放っておいても勝手には開かない。パイロットシュートは先に風を受けて開き、その引っ張りで本体キャノピーを引き出す補助装置だ。米陸軍空挺部隊がベトナム戦争期を含め長年使ってきたT-10パラシュートのような静的索(スタティックライン)方式の降下システムに、ずっと組み込まれてきた小さな主役である。
小さいから、確実に開く
巨大な生地の塊だ、本体の主傘は。畳んだ状態から開傘直後の空気抵抗だけでいきなり広げようとすれば、絡まりや不完全展開のリスクが跳ね上がる。だから、先に小さな傘を開かせ、そこから段階的に主傘を引き出す。確実性を優先した、いわば保険の保険——それがパイロットシュートの仕事だ。
作りと質感
サイズは約53cm×約57cm。中古良品として、展開と格納を何度も繰り返してきたであろうナイロン生地のしなやかさが今も残っている。
脇役に見えて主役
空挺降下の花形は、どうしても大きく開く主傘の方に目がいく。だが実際に命を預かっていたのは、この小さな一枚だった——地味な部品ほど、責任は重い!





