電源が入らなくても、佇まいは無線機のままだ
旧タイプの米軍無線機、ジャンク品。約22cm×12cm×4cm、アンテナ長約42cmという寸法は、AN/PRC-6のような朝鮮戦争期に登場した携帯無線機を思わせる大きさだ。動作の保証はない、正真正銘のジャンク扱いである。
声の届く距離が、生死を分けた時代
真空管式の初期携帯無線機は、電池の消耗が早く通話可能距離も短かったが、それでも隣の分隊と声を交わせるかどうかは——戦場では死活問題だった。技術的な非力さと、それでも欠かせなかった重要性が同居する装備だ。
ジャンクという、正直な等級
動かないものを動くと偽らない——それがジャンク品という表記の意味だ。外装や操作部の作りからは、当時の設計思想を読み取ることはできる。中身の真空管や配線までは、開けてみないと分からない。
沈黙した機械にも記録の価値がある
声を出せなくなった無線機だが、その筐体一つが、通信という任務の重さを今に伝えている。
















