搭乗員の私物は、この一袋にすべて収まった。
US KIT BAG フライヤーズ キットバッグ——一袋に全部だ。デッドストック品で約53cm×56cm×25cmという大容量、航空機搭乗員(フライヤーズ)が私物や飛行装備一式を詰め込むために使ったキャンバス製のバッグである。
航空隊の伝統
パイロットや空中勤務員の携行品を一つにまとめる発想は、陸軍航空軍、のちの空軍の時代から続く伝統である。フライトジャケットやヘルメット、私物の着替えまで、この一袋に放り込んで基地間を移動した。
デッドストックという状態
デッドストックとは、支給・流通されながら一度も使われずに倉庫で眠っていた未使用品を指す。分厚いキャンバス地の張り、金具の艶——実戦を経た個体には出せない張りがある。
容量が語る任務の重さ
53cm四方を超える大きさは、単なる着替え袋ではない。長期出張や基地間異動を前提にした設計だ。がらんどうの袋一つに、当時の空軍勤務のスケールが表れている。






