同じ形、違う体に合わせた一本。
こちらも米陸軍のM-1956パターン・サスペンダー、コットン製で中古良品。可動域は約68cmまで伸び、先の個体より大柄な体格に合わせて使われていたことがうかがえる。金具やDカンの摩耗具合を見る限り、実際にベルトへ装備をぶら下げて歩いた形跡が残る一本だ。使用感は本物。
調整幅が語る個体差
米陸軍の被服は基本的に規格品だが、サスペンダーのようなアジャスト式の装備は着用者ごとの微調整が入る。バックルの位置、ストラップの伸ばし方——同じ製品番号でも、使われ方の跡は一人ひとり違う。癖が出る部分だ。
コンパスポーチとの相性
このタイプのストラップには、左胸側にコンパスケースを留めるための金具が用意されていた個体もある。無駄を嫌う設計だ。行軍中に方位を確認する動作を、いちいちポーチを探さず済むよう設計した実用主義の表れだ。
消耗品としての装備
サスペンダーは弾薬や水筒に比べて地味な存在だが、これが切れれば装備一式を腰からぶら下げるしかなくなる。目立たないが欠かせない——ミリタリー装備の面白さは、こういう脇役にこそ宿っている。







