緑と茶、二つの顔を持つ迷彩。
M1スチールヘルメット、リバーシブル迷彩カバー付きの中古品。約16cm×約21cm。1942年頃に登場したHBT生地のリバーシブルカバーは、緑側を森林用、茶側を砂浜・秋季用として、裏返すだけで環境に合わせられた。単純明快な発想だ。
“ダックハンター”と呼ばれた柄
この緑と茶のまだら模様は俗に“ダックハンターカモ”と呼ばれる。海兵隊が太平洋戦線で使用したことで知られるが、模様が紛らわしいという懸念から使用が制限された時期があったとも伝えられている。
カバーだけが単体で残る事情
布製のカバーは鉄帽本体より先に傷み、交換される消耗品だった。本体とセットで残る個体が少なく、カバー付きという状態そのものが今では珍しい部類に入る——単体でもここまで残っているのは正直、運がいい。
16センチ四方に詰まった判断
敵味方の識別という、たった一枚の布に懸かっていた判断。迷彩の色を変えるだけの単純な工夫に、当時の切実さが透けて見える——たかが布、されど布だ。








