軍需品を作っていたのは、目の見えない工員たちだった。
US E-TOOL スコップ カバー——刻印一つに、歴史がある。新品未使用で、刻印は「SKILCRAFT」。折り畳み式の携帯シャベル、通称E-TOOL(エントレンチング・ツール)を収めるためのキャリアである。
M1943という転換点
米陸軍の携帯シャベルは1943年に大きく姿を変えた。それまでのT字ハンドル固定式から、蝶番で折り畳めるコンパクトな構造へと刷新され、以後、朝鮮戦争、ベトナム戦争と長く現役を務めた。カバーはそのシャベルをベルトやパックに固定するための必需品だ。装備は、道具あってこそ。
SKILCRAFTという刻印
SKILCRAFTは、視覚障害者の雇用を目的とする米国の公的プログラム(NIB)のもとで軍需品を製造してきたブランドだ。銃器でも被服でもなく、こうした小物にこそ、その刻印がよく残っている。
使われなかった一枚
新品未使用ということは、支給されながら一度も装備されなかった可能性が高い。倉庫に眠っていたままの状態で、今日まで生地の張りを保っている——時が止まったような一枚だ。





