123センチ、切られなかった一本。
ドレスベルトは、米陸軍などの礼装——いわゆるClass Aユニフォームでズボンを締めるために支給されてきたウェブベルトだ。この一本は約123cm×約3cmと、既製のズボンベルトにしてはかなり長い。中古良品としてバックル周りの傷みも少なく、状態は上々である。
裁ってから締める
このタイプのベルトはもともと長い帯状のウェビングのまま支給され、着用者の胴回りに合わせて基地の被服係やテーラーが端を切り落として仕立てるのが通例だった。GI規格の一本一本が、こうして持ち主ごとに違う長さへと姿を変えていく。123cmという長さも、その工程を経ずに残った一例だ。
編み地とバックル
生地は綿混のウェビングで、目が詰まっていて擦れに強い。真鍮のチップ(先端金具)を差し込んで留める作りは簡素だが、礼装の細部にまで規格を求めた米陸軍の几帳面さがよく表れている。
切られずに残った理由
誰かの腰に合わせて切られる前に倉庫へ収まったのか、あるいは持ち主が見つからなかったのか。123cmのまま流れてきたこの一本には、そんな想像の余地が残っている——サイズが合わなかった、それだけの話かもしれないが。






