色を語らない、無骨な一本
BDUベルト、長さ約110cm、幅約4cmの中古品。品番CH-1012——色味の記載すらないほど、装飾性より実用性が前面に出た一本である。名も無き実用品。型番も、無い。
装飾を削ぎ落とした構造
厚手のウェビングにバックルという最小限の構成は、壊れにくさと調整のしやすさを両立させるための工夫だ。BDUは1981年の制式化から20年以上、米軍の標準として使われ続けた規格である。幅4cmという寸法は、BDUトラウザーズのベルトループに合わせた共通規格だ。無名の一本ほど、規格だけは律儀に守られている。
無地であることの意味
色やロットの記録が薄れているのは、それだけ長く現場を渡り歩いてきた証でもある。素性を語らない一本には、素性を語らないなりの説得力がある——語らないことも、ひとつの記録だ。
道具としての正直さ
中古品としての傷みも含めて、これは実際に使われてきた道具の姿だ。飾りのなさが、かえって本物らしさを伝えている。飾らない、それが答え。




