「フラックジャケット」の通称で語り継がれる、防弾ベストの定番形。
ウッドランド迷彩に大きく立つ襟、前面の左右にあしらわれたポケット。米軍装備を語る上で外せない、いわゆる「M1ボディアーマー」——PASGT(Personnel Armor System for Ground Troops)ベストと呼ばれる系統の防弾ベストだ。今回の個体はXLサイズ、実使用の傷や汚れが残る中古品になる。
ケブラーが変えた防弾装備
1980年代に米軍で採用が進んだPASGTシリーズは、それまでのナイロン主体の防弾チョッキから、ケブラー繊維を用いた構成へと切り替わった世代。ヘルメットも同じPASGT規格でセット運用され、湾岸戦争からアフガン・イラク初期にかけて長く米軍の標準装備であり続けた。
迷彩とポケット配置に見る実用性
ウッドランド柄は森林・草地環境向けの定番迷彩。ベスト前面の左右ポケットは、雑誌(弾倉)の予備や小物の携行を想定した設計で、襟元は首元をしっかり覆う立体裁断になっている。実物ならではの、着用者の動きに合わせて考え抜かれたシルエットだ。
世代交代後も残る現物
2000年代以降、米軍の防弾装備はOTV・IOTVといったプレートキャリア型へと主流が移り、PASGT系のベストは現役を退いていった。それでも放出品として流通する個体は、当時の装備思想をそのまま伝える資料的価値を持つ。傷や汚れも含めて、使われてきた歴史の証だ。







