砂漠の熱と湿気、両方をいなすために生まれた足元。
タン色のスウェードとコーデュラ生地を組み合わせたアッパー。いわゆる「デザートブーツ」と呼ばれる系統の一足で、湾岸戦争以降に米軍で広く使われるようになった砂漠戦仕様のコンバットブーツだ。今回の個体はサイズ3.5R(21.5cm相当)、実際に履き込まれた使用感の残る中古品になる。
黒革ブーツからの転換
それまでの米軍ブーツは光沢のある黒革が主流だったが、乾燥した砂漠地帯では通気性の悪さや熱のこもりやすさが弱点になった。そこで採用が進んだのがタン色のスウェードレザー。染色を抑えた素材は熱をため込みにくく、砂漠の環境に馴染む色合いでもある。
ゴアテックスという発明
靴の内側にはゴアテックスの防水透湿メンブレンが仕込まれている。雨や湿った地面からの浸水は防ぎつつ、足からの蒸れは外へ逃がす——という相反する機能を両立させた素材で、長時間の行軍でも足のコンディションを保ちやすくする役割を担う。
小さめサイズが伝える持ち主の記憶
3.5Rという小ぶりなサイズは、体格の小さい兵員や女性兵士向けに用意されたロットであることをうかがわせる。ソールの摩耗やアッパーの色ムラには、砂と汗を吸い続けてきた実物ならではの表情が刻まれている。眺めるだけでも、履かれてきた時間の長さが伝わってくる一足だ。







