フィールドジャケットの代名詞、その内側に縫い付けられた素性の証。
裏地に縫い付けられた白いタグには「PARKA, MAN'S, M-65」の文字。米軍のフィールドジャケットとして最も広く知られる型の一つ、M-65パーカーだ。契約番号はDSA100-70-C-1370、製造元はSportsmaster, Inc.。サイズは「REGULAR SMALL」、胸囲33〜37インチに対応する個体になる。
1965年、M-51からの世代交代
M-65は1965年に制式化され、それまでのM-51パーカーに代わって米軍の標準フィールドジャケットとなった系統。ボタン留めの襟、収納式のフード、裾と腰のドローコードによる絞り込みなど、防寒と携行性を両立させる工夫が随所に見られる。ベトナム戦争から長きにわたり、米軍の顔とも言える一着であり続けた。
タグに刻まれた「アークティック」の文字
もう一枚のタグには「PARKA, MAN'S, ARCTIC, M-65」の表記と、寒冷乾燥地での着用法、ライナーのボタン留め方法、湿った際は速やかに脱ぐことなど、細かな取り扱い注意が並ぶ。単体のシェルとしてだけでなく、ライナーを組み合わせた重ね着システムの一部として設計されていたことが読み取れる。
DSA契約という時代の記録
「DSA100-70」の契約番号は、当時の国防補給局(Defense Supply Agency)が発注した1970年前後の調達ロットであることを示す手がかりになる。ベトナム戦争期の需要拡大を背景に、Sportsmaster社のような契約メーカーが数多く生産に加わっていた時代の空気を、このタグ一枚が今に伝えている。







