銃床の反動を、生地の厚みで受け止める。
ライフルマンコートは、その名の通り射撃を前提に仕立てられた一着だ。右肩には菱形のキルティングが入った分厚いショルダーパッド、両肘にも同じ生地の当て布——構えたときに銃床が当たる部分だけを狙って補強してある。
衿の無い理由
首元はボタンで留めるバンドカラー(スタンドカラー)で、一般的なフィールドジャケットのような開いた襟が付いていない。伏せた姿勢や照準を覗き込む動作で襟がじゃまにならないよう、あえて簡素な作りにしてあるのが射撃用被服らしいところだ。
肩当てのつくり
肩のパッドはただ厚いだけでなく、菱形のキルトステッチで芯材を固定し、内部の綿がずれないようにしてある。表からは見えないスリットポケットも肩口に切られていて、パッドの位置を微調整できる作りになっている。ここまで凝った当て布は量産の戦闘服にはまず見られない。
経年の風合い
オリーブグリーンのコットン地は使い込まれた柔らかさが出ており、袖口や裾には着用の跡が残る。ボタンは当時のプラスチック製。手に取ると分かる、生地の厚みの違いこそがこの一着の正体を語ってくれる一枚だ。






