軍服の下に、もう一枚。雨の日の礼装。
内側のタグにはSIZE: 38R、そしてNSN 8405-01-107-0240の刻印。米軍のオールウェザーコート、いわゆる軍用トレンチコートだ。カーキのポプリン地にダブルブレストの前立て、腰のベルトまで、民間のトレンチコートと見た目はほぼ変わらない。
制服の上に着る一枚
この手のコートは制服(ドレスユニフォーム)の上に羽織る防寒・防雨の外套として支給されるもので、階級や所属を問わず広く使われた。ボタンの数や襟の返し方まで、トラディショナルなビジネスコートの文法をそのまま踏襲しているのが面白いところ。
軍用ならではの細部
肩には雨粒を流すためのエポーレット(肩章布)、袖口にはストラップ付きのカフス。NSN(米軍補給番号)が印字されたラベルが縫い付けられている点だけが、街のトレンチコートとの違いを物語る。裏地は薄いグリーンで、寒い季節にはライナーを足す前提の作りだ。
良品と呼べる理由
経年による生地の褪せこそあるものの、ボタンは全て揃い、裏地の破れもなし。折り目もしっかり残っていて、実際にクローゼットへ吊るしても様になる一着——ミリタリーというより、あくまで「軍が支給した紳士コート」として楽しみたい掘り出し物だ。






